自分の考えを深めたり相手に分かりやすく伝えることが重要だということを実感しました。
卒業生
安原 正子 さん 文学部 史学科
1年次入学 2018年卒業
日本国外在住 /日本料理店勤務
- Profile
- 現在は米国、ピッツバーグの日本料理店で働いていらっしゃいます。日本でバスガイドの仕事をしていたこともあり、興味がある日本の歴史を学べる史学科に入学されました。
- 主人が背中を押してくれました ~法政大学通信教育部を選んだきっかけ~
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高校卒業後、大学への進学を希望していましたが諸事情で大学へ行くことができなかったので、「お金をためていつか大学へ行こう」と考えていました。しかし、大学へ行ける条件がそろった時に、結婚してアメリカへ移住することになりました。勉強するのは無理かと思っていましたが、主人が勉強した方がいいと背中を押してくれ、法政大学の通信教育部の入学を決めました。また、高校卒業後にバスガイドをやっていたこともあり、日本の歴史にはとても興味がありました。
現在は在住している米国、ピッツバーグの日本料理のお店でアルバイトをしながら法政大学通信教育部で学習しています。時々、市内の日米交流団体主催のイベントなどでアメリカの学生に日本のこと(自分の日本での体験)などを話すことがあります。
- リポートを書くことは頭の中を整理する良い機会 ~学習について~
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日本史については以前より興味を持っていましたが、こちらで勉強するようになって日本だけでなく、日本を取り巻く様々な国と日本の関係、また、日本に住むマイノリティーと呼ばれる人びとに関しても興味を持つようになりました。
東洋史概説はとても楽しく勉強しています。スクーリングにも参加させていただきましたが、とてもわかりやすく今後ももっと勉強しようと考えることができた科目です。
海外在住のため、私はスクーリングにたくさん行くことができないので、リポートを書くほうが多くなります。リポートを大学に送って良い成績をいただくのはとてもうれしいですが、リポートを書くということは私の頭の中を整理できるよい機会でもあるので、アメリカでの生活に必要な英語も日々、上達しているように感じます。
- 教員や友人のアドバイスで、コツを掴めるようになってきました ~困ったこと、壁に当たったと感じたことと、その克服について~
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アメリカに移住してから入学したこともあり、まず最初の1年間はリポートの書き方、特にルールがわからずに苦労しました。そんな中スクーリングに参加して授業を受けたり、教員や知り合った友人から話を聞いたりすることで自信を持ち、すこしずつコツを掴めるようになってきました。
また、海外での通信学習で非常に困ることは参考文献などの書籍が手に入らないことです。私は日本に一時帰国した際に図書館で本を借りてコピーなどして持ち帰りました。また、私の住む街の大学や図書館では誰でも勉強したり、本を読むことが出来るのでそこで本を借りて参考にしました。
【写真:58年館屋上(オリーブ・ガーデン)】
大学の環境問題への取り組みとして校舎の屋上緑化を進めており、58年館屋上にも植え込みや藤棚を設置しています。58年館屋上の庭園にはシンボルツリーとしてオリーブを植えていることから、公募により「オリーブ・ガーデン」と名付けられています。
- 学習方法について(一問一答)
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【1日の学習時間や時間帯は決めていますか?また時間の使い方で工夫していることはありますか?】
時間は特に決めていません。でも、毎日時間を見つけて教科書や本を読むようにしています。
【リポートの書き方、単位修得試験対策で工夫していることはありますか?】
リポートを書く時は本を何度も読んで、はっきりと書くことは決まっていなくてもとにかく書き始めることが大事だと思います。その上で、調べることと並行して推敲を重ねていくようにしています。
- 「考えを整理する」ことの大事さについて ~海外生活と、通信教育部での学びで感じたこと~
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【考えを整理することで、物の見方が広がる=コミュニケーションの基になること】
渡米した際は英語が得意だったわけではないのですが、7年間の生活で日常会話はようやくできるようになったかな、と思っています。病院などの機関での手続きは文章で伝えることが必要なので、文字で伝えることの大切さも感じています。
英語でも日本語でも言葉はツールですので、大事なことは「何を伝えられるか」「そのために、考えている伝えたいことが整理されているか」です。アメリカでの生活を始めた当初は、その点で自信をなくすこともありました。通信教育部で学び始めたことで、頭の中の考えを整理することができ、それによって伝えることの精度が上がることももちろんですが、同時に物の見方も偏らずに複数の方向から見えるようになったと考えています。
【社会に出てから学ぶことの良さ】
高校卒業後、歴史が好きだったこともあり最初の仕事としてバスガイドを選び、その後役所関係の仕事に再就職しました。「社会に出てから学ぶ事」の大切さと良さを強く感じたのはこの時期です。
実際に、社会人を経験してからこうして学んでいることは、単純に知識だけではない学びの効果を実践に活かせる機会も多く、とても価値のあることだと思っています。18歳の頃に大学に入っていたら、こんなには勉強していなかったかもしれません(笑)。また帰国した際に当時の同僚と話をすると、「そんな見方ができるようになったか」と感心されることもあります。社会に出てから学ぶ、ということは、(一旦仕事から離れることが多い)女性にとっても、より働きやすい環境をつくる助けになるのでは、と考えています。
【異なる文化の中で生活していくために】
アメリカの社会には自由さをはじめ良い部分はたくさんありますが、一方で人種差別のように残念な側面も持ち合わせています。また日本の安全さ、規律正しさといった良さも強く感じます。これは日本を離れているからこそ良く分かる部分でもあるのですが、一方で日本を離れているがために、現実から乖離した、実際以上の「良さ」を想像してしまう可能性もあります。考えを整理して物の見方を広げる、という行為は、人種や性別、宗教や考え方などの「多様性」を偏りなく理解することにもなりますし、それはより良いコミュニケーションの根幹であると考えています。
ピッツバーグでは日本人の留学生を受け入れることもありますが、留学に来ること、学校に入ることが目的になってしまっているためか「日本の方が良い・悪い」という偏った物の見方から抜け出せないまま帰国してしまう学生もおり、勿体ないなと感じる事があります。 留学をする若い世代の学生の皆さんも、言葉以前の「伝えたいことが整理されているか」を意識すると、より充実した留学になるのではと思います。
- これから、学びを志す皆さんへ
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海外に暮らしながら勉強するのは日本と比べてとても不便であり、時差があるのでとても大変です。しかし、履修科目の単位をひとつひとつ習得していく度に、達成感があります。また、海外で暮らすのに必要な英語力をつけるためには、自分の中に語学的知識のみならず、自分の考えを深めたり相手に分かりやすく伝えることが重要だということを実感しました。つまり、母語・母国語である日本語の理解力、運用能力の精度をあげていくことが、外国語習得にもつながることに自分なりに気づきました。このような「発見」は自分自身だけで行うのは大変ですが、この通信教育はそれを手助けしてくれるものだと思います。
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