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知らなかったことを知る楽しさ、調べたものが一つの線でつながるような感覚はドキドキするような思いでもありました。

卒業生

飯島 香 さん 文学部 日本文学科

3年次編入(学士入学含む) 2022年卒業

東京都在住

01 入学の目的は?
・教員免許の取得
・日本文学を学ぶこと
02 興味のある分野は?
日本美術、上代から近世の文学や日本芸能
法政大学通信教育部で学ぼうと思ったきっかけを教えてください。

 以前、書の師匠と小学生や中学生に書を教えることについて話をする機会がありましたが、その会話の中で自分自身が日本文学の知識、「人に教える」知見や技術を持ち合わせていないことに気づきました。
 「人に教える」からには、自分が人に説明をしたり伝える内容に責任を持ちたいと思い、通信教育の形で大学に入りなおし、日本文学を学ぼう、教職を取ろうと思ったことが入学のきっかけでした。なお家族には、願書を送付してから入学することを打ち明けました。
 法政大学を選んだ理由は、①スクーリングの形態が多様であったこと、②市ヶ谷校舎が中央・総武線沿線で、比較的通いやすかったこと、③他大学の通信教育部よりも比較的リーズナブルに受講することができることが理由でした。

 

 現在、某メーカーの販社で販売業務に携わっております。法政大学で学んだ事柄は、長年プライベートで学んでいる書の知見を深める点で大変有意義でした。入学の目的も書の知見を深めることだったため、入学当初は現在の仕事とは全く関係しないように思われましたが、日本言語学概論や日本言語史、日本文法論といった講義を受講する中で、コミュニケーションツールとしての日本語を意識するようになり、仕事上、相手に簡潔にかつ的確に伝えるためにはどのような言葉や言い回しをしたらよいのか、考えるきっかけになりました。

 

 なかなか終息しないコロナ禍の中で、週の半分は在宅勤務が日常となり、オンラインによるコミュニケーションが増える状況ですが、ますます言葉の使い方や選び方、言い回しの大切さに気づく機会が増え、法政での学びがこうした点でもつながることを実感しています。また今後のセカンドキャリアの選択肢の1つとして、書もしくは国語の教科を人に教えることを考えています。その準備として教員免許状の取得、また大学院でさらに研究を深化させる進路を検討しています。

在学していた学科の内容で、興味のある分野を教えてください。

 日本美術、上代から近世の文学や日本芸能は大変興味深く、ワクワクしながら学びました。こうした分野の講義がきっかけとなり、在学中に初めて1人で夜行バスに乗り、奈良国立博物館や奈良の寺院をめぐったり、一時期キャンパスメンバーズを活用して毎週のように上野の東京国立博物館に通い、各フロアの展示を見学していました。
 自ら自己の知見や視野を広げる行動に移すことができたのも、日本文学科で学んだからこそだと思います。

「キャンパスメンバーズ」とは、大学と文化施設が提携し、在学生に対してチケットの割引購入や、会員校対象の博物館セミナーなどの特典を受けることができる制度です。本学は下記の制度に加入しています。

・東京国立博物館キャンパスメンバーズ

・国立美術館キャンパスメンバーズ

・国立劇場キャンパスメンバーズ ※文学部日本文学科のみ

・国立科学博物館大学パートナーシップ

参考:通信教育部Webサイト「様々な学生生活サポート(学生特典)」

受講してよかった科目、おすすめの科目はありますか。

 2年目以降から積極的に対面型のスクーリングを受講するようになりましたが、対面型のスクーリングの良い点は実際の講義だけでなく、スクーリングで知り合った方と学習上の悩みや計画について、共有やアドバイスをし合う場にもなる点にあると思いました。その意味では1年目から積極的に活用をすればよかったと、後になって思いました。
 特に地方スクーリングは、受講者が様々な場所や地域から参加されているので、地方スクーリングの1日目の講義の後に開催される懇親会でのみなさんとの会話から、様々なお話を伺うことができ大変楽しかったです。その懇親会のあと、残りの2日間は、講義の中のポイントや、分からなかった点を教え合ったりと、受講する方々と大分打ち解けた雰囲気となるので、3日間で12コマは本当に大変ですが、参加した地方スクーリングはどれも充実した3日間でした。

学びの中で、楽しさや充実感を感じたのはどのような時ですか。 ~学習と卒業論文について~

 学んだ内容を通じて物事の連関性を自分の中に落とせたときに、学びの楽しさや充実感を感じるように思います。例えば日本文学特講・中世のメディアスクーリングで学んだ『平家物語』の中に、平家打倒を企てたものの清盛に露見し鬼界が島に流された俊寛という僧侶の話がありましたが、東京国立博物館に時々展示される楽茶碗の中に俊寛という銘の茶碗があることを知り、なぜ俊寛という銘となったのかを調べたりしました。また日本芸能史の課題の中で能と歌舞伎に俊寛を題材にした演目があることを知り、調べてみると設定や構成に大きな違いがあることが分かりました。『平家物語』と各演目の違いについて調べることで、改めて『平家物語』の後世への影響の大きさを実感した時に、学ぶことの楽しさ、充実感を得たように思います。

 

 私が卒論に選んだテーマは「『古今集』伝本に収められてる異本所載歌の考察だったのですが、『古今集』の伝本については先行研究が比較的限られており、論文の資料集めも大正・昭和の初めころからの論文までさかのぼることになりました。その意味では積極的に研究されている分野ではないのかも知れない、と思いましたが、私にとって『古今和歌集』について調べることは、古筆を学ぶものとしてとても意義深いことと思い、このテーマで取り組むことを決めました。

 卒論に取り組む中で、奈良の「片岡」という地名と地域について調べる必要が生じ、関係する資料を収集し読み込んだのですが、調べれば調べるほどさらに疑問や仮説が頭に浮かび、またさらに資料を調べる…といったことの繰り返しでした。ですがその作業が次第に楽しくて、ワクワクする思いで取り組んでいました。知らなかったことを知る楽しさ、調べたものが一つの線でつながるような感覚はドキドキするような思いでもありました。

 

 仮説をたてて調べること、もしくは調べていく中で1つの仮説に至る作業は、仕事の上での問題・課題解決のアプローチに似ているように思います。ある問題・課題を解決もしくは改善するために、それらの原因をさぐっていくと、実は思いもよらないものが真因で、それまでの対処策では解決・改善しないことが分かった、ということがあります。
 卒論での取り組みも同様で、先行研究で明らかとされる文献を調べる作業の中で、自分なりの見解が浮かび上がるような時があります。それをさらに調べていくと、当初自分が考えていたテーマと着地点がだいぶ異なる場合があり、当たり前ですがきちんとしっかりと調査する姿勢は、社会人として求められる部分であることを再認識しました。

学習方法や時間の使い方で、工夫していたことはありますか。

 塾への子どもの迎えと家事を終えたあと、22時頃から2~3時間が学習の時間でしたが、書の課題の取組みもあったので、ざっくりですが月の前半2週間は資料の読み込みやレポート作成、後半2週間は書の課題取組み、といった時間の使い方が何年か続きました。
 それでも疲れが溜まると起きていられなくなるので、そうした時は、平日は諦めて寝てしまい、週末に近所の図書館に行って取り組んだりしました。娘が中間・期末試験のときは、一緒に図書館に行ってそれぞれで勉強に取り組んだりしていました。

リポートの書き方、単位修得試験対策で工夫していたことはありますか。

 大学の図書館は本当によく利用していました。特に教職関連の図書はとても充実していたので、レポート課題のテーマや主眼がつかめないときは、シラバスを何度も確認し、参考図書を数冊借りてさらに読み込んだりしました。読み込んだものは必ずノートやルーズリーフに内容をまとめて、そこからレポート課題の柱を考えたりしました。

 法政大学図書館は、登録をすれば卒業生でも利用できるので、おすすめです。

学習にあたって、困ったこと、壁に当たったと感じたことはありますか。また、それをどのように克服しましたか。

 卒論に取り掛かるとき、資料の収取方法やテーマの絞り込みについて、自己流で進めていないか、これで本当に卒論を書き上げることができるのかずっと不安でした。そうした状況から抜け出すきっかけになればと、それまで未受講だった「論文作成基礎講座」を受講しました。論文作成基礎講座では資料の収集方法、雑誌等に発表されている論文のカテゴリー、さらに図書館の活用方法といった点を学ぶことができ、大変参考になりました。
 もっと早い段階で論文作成基礎講座は受講するべきだったと少し後悔しました。

 「論文作成基礎講座Ⅰ」「論文作成基礎講座Ⅱ」は日本文学科の選択科目で、1年次から受講が可能です。

 リポート・卒業論文執筆に向けて、大学図書館の利用の仕方・文献検索・収集・引用など、論文作成の基本となる事項を学ぶことができ、2022年度は「論文作成基礎講座Ⅰ」は夏期・冬期スクーリング、「論文作成基礎講座Ⅱ」は夏期・後期週末スクーリングでそれぞれ開講します。

リンク:法政大学Webシラバス(科目名で検索が可能です)

これから通信教育部で学ぶことを検討されている方へ、アドバイスやメッセージがありましたら お願いいたします。

 私が入学した当時は、娘が中学2年生で私自身もPTA本部役員だったため、一時期仕事と育児・家事と書、さらにPTA活動に通信教育部の学びが重なっていました。それでも、「学びたい」と思ったタイミングで行動に移さないと、その後学びのきっかけを逸するかもしれない、という思いが強く、後先を考えずに飛び込みました。
 その後限られたプライベートの時間の中で、書と通信教育の学びの両立に悩み、どちらも中途半端になりかねない状況の時期もありましたが、それも一時期でした。そうした状況でも通信教育部を継続できたのは、学びのペースを自分で作ることができたからだと思います。
 学びで培ったものは、必ず自分自身の糧になると思います。法政大学での学びの時間は、自分にとって見たことのない景色をみる時間でもありました。もし入学に迷われている方がいましたら、とりあえず飛び込んでみるのも一考かと思います。

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