法政LIFE -人生に学ぶ喜びを- 法政LIFE -人生に学ぶ喜びを-

Search

大きなことは言えませんが、どこまで地道に継続して勉強できるか、でしょうか。あるいは、情熱を絶やさずにいられるか。

在学生

高桑 信一 さん 文学部 史学科

1年次入学

関東在住 /フリーライター

Profile
渓流ガイドとして活躍中。「沢登り」の活動を日本に広めた中心人物のお一人です。またフリーライターとして山岳雑誌、釣り雑誌への寄稿のほか、多数の渓流、釣り、山村民俗に関する著書を多数執筆されています。近著は『源流テンカラ』(山と溪谷社 ・2016)。
日本の歴史については作家が書いた書籍も多いですが、学問的に見たらどうなんだろう、という興味が、史学科を選んだ最大の理由です。~法政大学通信教育部を選んだきっかけ~

 現在は主に山岳関係の記事を書いています。撮影と取材が主です。内容は、山岳雑誌で山岳の紹介、渓流の紹介、山村民俗等の取材、釣り雑誌への執筆などです。

 入学のきっかけは、体力的にも衰え始め、そろそろ以前よりはライターとしての仕事も減るであろうと勝手に想定し、暇になる時間を学習にあて、可能なら大学卒業資格も取りたいと思い、入学しました。実際には入学直後に著書のまとめ作業に時間を取られて、さらに仕事も入り続けたので、1年間学習は全く進みませんでした(笑)。

 日本史、東洋史、人文地理、心理学、自然地理学、日本の近代文学などに興味があります。その中で歴史への関心から、史学にしました。特に日本史に興味があります。日本の歴史については作家が書いた書籍も多いですが、学問的に見たらどうなんだろう、という興味が、史学科を選んだ最大の理由です。東洋史も興味がありますが、なにせ深くて広いですから、日本史・東洋史・西洋史を横断的に学べますが、まずは日本史の分野に取り組みたいと考えています。

 卒業論文は、やはり民俗学の分野に取り組んでみたいです。狩猟のことも調べていますし、秋田県で育ったので、マタギをテーマにして書くことができたらと思います。まだ入学したばかりですので、先は長いですけれど(笑)。

学習でのリポートと、フリーライターとしての執筆の違い~学習について(リポート)~
学習でのリポートと、フリーライターとしての執筆の違い~学習について(リポート)~

【通信学習のリポートについて】

 たとえば「日本史概説」で、リポートは出したものの、単位習得試験の範囲が全体なので、範囲を絞れず、いまだ単位習得試験に臨んでいません。リポートは、仕事柄、どうしても主観の入った偉そうな書き方になるためでしょうか、評価は低いようです。

 リポートについては、もちろん(『通信学習シラバス・設題総覧』に示されている)テキストと設題があって、その中で答えてほしい意図はこうだろうな、ということもわかるのですが、ただ作家としては、言われたとおり、意図のとおりに書くのはちょっと癪かな、という気持ちもあって、つい主観を強く出してしまったり、自分が知っている分野だと生半可な知識が邪魔をしてしまうこともありますね。

【フリーライターとしての執筆について】

 フリーライターとしての執筆は、書下ろしよりも連載が多いんです。例えば30回で2年半連載する場合、最初に起承転結の構成を考えないと、たとえ良い表現や導入の仕方であっても何回も繰り返したりはできません。読み手のことを考えると、同じ表現を使えるのは3回くらいが限界ですね。連載全体のトータルでの構成も注意しながら、執筆する必要があります。

 表現としては風景描写に重きを置いて、現場の風景が読んでいる方に伝わるように心がけています。

(山行は渓流など水辺を歩くことが多いですが、メモは取るのでしょうか?)

 山行の文章を書くときは、現地でメモは取りません。何日間かのことも、自宅に帰ってから記憶で書きます。だから、すべてを書いているわけではないですが、「記憶に残らないことは書く必要のない」とも考えています。

(著書には美しい風景の写真が多いですが、心がけていることはありますか?)

 写真は、被写体となる人物の位置など、構成の基本を守ることくらいですかね。

「やらざるを得ない」状況に自分を置けば、集中します~学習について(スクーリング)~

 受講してよかった科目は「ドイツ語S」「基礎特講・近代文学」などです。特にドイツ語は、最初から自宅での学習は困難だと思っていたので、スクーリングを優先しました。ドイツ語を選んだのは、単に天邪鬼だからですが、少人数の講義は有益でした。

 楽しさや充実感を感じるのはやはり市ヶ谷でのスクーリングですね。特に親しく交わるわけではありませんが、若い方たちの雰囲気を間近に触れるのは刺激になります。

 家でスケジュールを立てるのがなかなか難しいな、と感じたのと、「やらざるを得ない」状況に自分を置けば、自分の意志で学ぼうと思って来ているわけなので、集中しますしね。そうして継続していくことで、通信学習も含めてペースを掴んでいけるのでは、と考えています。今のところ、一日の何時間を勉強に充てる、というライフスタイルにはなっていません。

学習方法について(一問一答)

【学習で困ったこと、壁に当たったと感じたことと、その克服について】

  壁は常にありますが、克服はしていません。強いて言えば、スクーリングを優先することで、学習意欲を高めようとしていることくらいです。


 【入学を検討される際、もしくは現在、家族や友人のアドバイスや励ましはありましたか?】

 連れが短大卒で、違う大学の3年に編入して、通信で教員資格を取ることになり、いわば同時スタートで、切磋琢磨しあう形で学ぶことになりました。

お住まいの地域や法政大学周辺で、お勧めの場所はありますか?

 市ケ谷に限りますが、生協では一割引で書籍購入できること、図書館を積極的に利用できること。学食が安くて美味いですね。


【通信教育部より:学食について】

このページの写真は、富士見ゲート1階の「Orange Cafe」をお借りしました。各期のスクーリングを含め、来校時に複数の食堂や売店をご利用いただけます。

リンク:大学Webサイト 市ケ谷キャンパスの学内店舗・食堂

これから学びを志す皆さんへ

 前述の理由から留年を経験しているので、大きなことは言えませんが、どこまで地道に継続して勉強できるか、でしょうか。あるいは、情熱を絶やさずにいられるか。

渓流ガイドの活動について、お伺いしました。 ~山を「知る」ための活動~
渓流ガイドの活動について、お伺いしました。 ~山を「知る」ための活動~

(ここからは、多数の著書も著されている、渓流ガイドとしての活動についてお伺いしました)

Q:著書を拝読したのですが、渓流ガイドは、川を「泳ぐ」という行程もあるんですね?

A:はい。両岸が崖になっている箇所もありますから、登るよりは発想の転換で「泳いでしまえ」という考え方ですね。昔は岩壁を登っていましたが、最近はそうした場所は泳いで渡るのが一般的なやり方ですね。もちろん安全は最優先で考慮しています。

Q:沢登りは日本独自の文化なのでしょうか?

A:西洋にはキャニオリングという澤下りはありますが、沢を登って頂上に行く、という文化はないようです。西洋の山岳に対する歴史感覚、山を「征服する」という感覚は日本の「山に神が住む」というものとは異なるようですね。

Q:著書『源流テンカラ』や『タープの張り方火の熾し方-私の道具と野外生活術』では、危険な生物や事故・自然災害など、危険な目に遭うエピソードがしばしば登場します。山で活動される方には共通しているのかも知れませんが、こうしたことは行動をセーブする要因にはならないのですか?

A:「地域研究」という考え方があります。文字通りの地域研究ではなくて、登山史的に人が入っていない、解明されていない空白地帯、領域を知るための活動という意味です。沢を登って、遡行図に滝の位置などを書き込みながら全容を解明していくんです。

 それを皆でしていく場合、メンバーには仕事を持っている人が多いですから、昔からお盆の期間を利用して行くことが多いんです。この時期は、イヨシロオビアブ(地方によってメジロ、オロロとも呼ばれる、体長1.5cm程度のアブ。群れを作り、人にたかって血を吸う上に、しつこく追いかけてくることで有名)が大発生する時期でもあって、大量にたかられると大変なんですけどね。

 (見たことのない光景ですね・・)それは、太平洋側だからですよ。日本海側の山で、源流に近い水のきれいなところではよくある光景です。ただ、こちらも活動したい時期でもあるし、何より「知る」「行く」ためにはアブなんか怖がっていられないですよ。

 また雪解け時の鉄砲水や行動時の危険な場所はある程度は予測がつくので、事前の準備はしっかり行います。

And more! And more! このページの内容・入学に関するお問い合わせはこちら!

学習の仕方、通信教育部での学びについてもっと知りたい方、入学に関するご相談を承っております。

質問する(メールが起動します)

一覧に戻る