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皆さんも自分の「好き」を見つけて大いに学んで下さい。

卒業生

三上 雪路 さん 文学部 史学科

2022年卒業

青森県在住 /デコラティブペインティング教室主宰

01 興味のある分野
考古学(縄文時代・近代産業遺産)
02 卒業論文のテーマ
縄文時代漆工芸の考察 ―北東北地方出土籃胎漆器を中心として―
法政大学通信教育部で学ぼうと思ったきっかけを教えてください。

 入学を志したのは、①知識のアップデートをし、仕事に活かしたい②好きな分野を突き詰めて卒業論文という形に残したかったため、ということからです。

入学を検討された際、家族や友人のアドバイスや励ましはありましたか。

 特にアドバイスや励ましはありませんでしたが、入学後にスクーリングで数日間家を空ける時でも、夫が気持ちよく送り出してくれたことが何よりです。

受講してよかった科目、おすすめの科目を教えてください。

 仙台地方スクーリングでの受講でしたが、小倉先生の日本考古学(総合特講)は、先生がとても楽しそうに話されるので、引き込まれました。講義の後の質問にも丁寧にお答えいただきました。やはり卒業論文は考古学で執筆しようと決めました。
 高澤先生の史学演習(西洋史)を市ケ谷キャンパスの夏期スクーリングで受講しました。少人数のゼミ形式による授業でしたが、このような開講方式を通信教育部で体験できるとは思っていませんでした。様々な職業の方々と討論する機会が得られ、充実した1週間となりました。
 2021年度秋スクーリングはコロナ禍でオンライン授業となりましたが、地方在住の私にはかえって好都合でした。歴史資料学(日本近代)は週に一度、しかも夜間なので仕事が終わり、自宅で落ち着いてからの受講が可能でした。鈴木先生、山下先生お二人とも資料の提示およびzoom操作ともスムーズで分かりやすく、どのような質問にも丁寧にお答えいただき、とても充実していました。

2020年度・2021年度は、新型コロナウイルス感染拡大の影響にて多くのスクーリングをオンライン形式で開講することとなりました。2022年度現在は、教室における対面形式のスクーリングを再開しています。

通信教育部で学ぶ中で、楽しさや充実感を感じたのはどのような時ですか。

 スクーリングで知り合った友人と、次のスクーリングで再会し、市ヶ谷キャンパスで数日間過ごす時は楽しかったです。コロナ禍でオンライン授業となりましたが、資料や授業の内容が充実しており、先生や学友との距離がより近く感じられ、毎回楽しく受講することができました。また移動時間や移動経費の無駄が無く、その分多くの授業を取ることができ、単位修得にも繋がりました。

 またスクーリングで上京の際には、必ず美術館・博物館巡りを入れて、仕事のための勉強も兼ねることにしていました。大変だったと言うよりは、スクーリングは家事から解放されて、自分の為だけに使うことができる幸せな時間でした。

学習方法や時間の使い方で、工夫していたことはありますか。

 早朝の静かな時間に参考文献の読み込み等をしました。頭が冴えていて、はかどりました。仕事や家事が忙しい時は1か月も勉強する時間が取れない時もありましたが、時間があるときは1日10時間以上勉強しました。特に卒業論文は、いくら時間をかけても足りないと感じました。

リポートの書き方、単位修得試験対策で工夫していたことはありますか。

 通信学習は、受講したスクーリングと関連のある科目のリポートを、スクーリング受講後なるべく早く提出するようにしました。確実に単位修得試験に合格するように、一度に受験する科目は1科目とし、また地元で受験可能な日程の試験は毎回受験して過去問の収集をしました。

 通信学習の単位修得試験は年度内に8日程設定されていますが、東京・札幌・仙台・名古屋・大阪・福岡は全ての日程で、他の都市ではこのうち2~4日程で試験を実施しています。単位修得試験は、受験科目のリポートを提出していることが受験資格となり、提出をしていればリポート合格前でも単位修得試験を受験することができます。また、単位修得試験では1日程で最大3科目までの受験が可能です。試験科目は日程で定められているわけではなく、受験科目を申告して受験する方式になっています。

 また、試験問題は受験者に限り持ち帰ることが可能です。試験問題は冊子形式になっており、自分が受験する科目以外の問題も記載されているため、後日、他の科目を受験する際にも参考となります。

参考:通信教育部Webサイト「通信学習」

卒業論文について、テーマや決めたタイミング、執筆のための調査などについて教えてください。

 卒業論文のテーマを何にしようか、という考えは、2019年11月に「漆サミットin弘前」に出席した直後に決めていました。その後「卒業論文1次指導」で『縄文時代漆工芸の考察 ―北東北地方出土籃胎漆器を中心として―』『白神山地における縄文時代漆工芸の考察―ダムに沈んだ文明の証―』というふたつのテーマを提出し、これについて担当の小倉先生によるご指摘をふまえて前者のタイトルに決定しました。調査にはそれから約3年かかりましたが、幼少の頃から博物館が大好きで、卒業論文のための現地調査も私にとっては趣味の延長でした。

 また発掘調査報告書や研究報告書を読み込んで行くうえで疑問点が生じると、メールで担当部署へ問い合わせをしました。教育委員会・博物館学芸員・他大学の先生、多くの方々から丁寧な回答を得ることができました。中でも青森県埋蔵文化財調査センターには、私が研究対象とした遺物が出土した「川原平(Ⅰ)遺跡」の発掘に携わった方が在籍されていて、メールで出土遺物に関する質問をしたところ、実見しに来られたらどうかと、お誘いいただきました。学術に関する調査は、申請をすれば、いつでも可能です。

 北東北地方を中心とした縄文時代漆工芸をテーマに扱った卒業論文でしたが、現代の漆工芸の源流が縄文時代にあることが明らかとなり、これらと関連の深い縄文遺跡群が存在した青森県中津軽郡西目屋村に2022年6月、ウルシの苗木を200本植栽しました(遺跡群は現在、津軽ダムの底に沈んでいますが、発掘調査の際に縄文時代の漆器・漆製品や、漆工に関わる遺物が出土しています)。
 この活動について西目屋村長へ面会・説明を致しましたが、その際には卒業論文のための調査研究が役立ちました。

 ただひたすらに自分の「好き」を追求する。これが卒業論文の醍醐味だと考えます。
 答えが見つからず、筆が進まず、夜中に目を覚ますことも度々ありました。でも結局、好きな事だからやり遂げられたのだと思います。皆さんも自分の「好き」を見つけて大いに学んで下さい。法政大学通信教育部は、それを受け止めて下さる素晴らしい先生がたくさんいらっしゃいます。

文学部史学科の場合は、卒業論文の指導は「卒業論文1次指導(文書指導)」、「卒業論文2次指導(面接指導)」、「卒業論文3次指導(文書指導)」と、3回の卒業論文指導に合格する必要があります。それぞれ実施時期や受講資格(修得単位数など)が定められておりますが、「卒業論文1次指導(文書指導)」の段階で、論文の作成計画はある程度イメージされていることが必要となります。論題決定の動機・内容・構成・参考文献などを要求されるので、しっかりした準備が必要です。

学習にあたって、困ったこと、壁に当たったと感じたことはありますか。また、それをどのように克服しましたか。

「日本考古学」は大好きな科目でしたが、単位修得試験の範囲が広く、何度も試験に落ち、リポートも再提出が続きました。しかし、卒業論文のテーマが考古学なので、これも訓練だと思って何度も挑戦しました。毎回丁寧な添削のお蔭で、卒業論文では良い評価をいただくことができました。

学生同士・卒業生同士で交流はされていますか。

 コロナ禍以前最後の冬スクーリングで「通教生のつどい」に、スクーリングで知り合った大阪・神奈川・愛知の学友と参加させていただきました。応援団・チアリーディング、そして全員で肩を組んでの校歌大合唱…また、立食形式で先生と直接に談話できたこと。今となっては本当にラッキーな時にスクーリングに参加できたと感謝しています。
 さらにラッキーなことには、2021年度の卒業式が武道館で開催され、出席することができました。
同窓会の方々に写真まで撮影していただき、その後も、SNSで交流させて頂いております。

これから通信教育部で学ぶことを検討されている方へ、アドバイスやメッセージがありましたら お願いいたします。

「学びたい」と思う気持ちに正直に、年齢で諦めないでください。

また、若い方でも、対面・オンライン・メディア・通信学習等、あらゆるスタイルでクオリティの高い学びを得ることができる法政大学通信教育部は、とても価値のある選択だと思います。そして卒業後もSNSなどで同窓会の皆さんと繋がり、情報交換を続けて行けることも財産となります。

お住まいの地域で、他の通教生の皆さんに知ってほしい場所や施設・地元の特徴などはありますか?

 私の住む青森県には、世界文化遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」と世界自然遺産「白神山地」があります。有名な「三内丸山遺跡」の他にも小さくても学術的に意義のある遺跡(大学で学んでようやく理解できました)がたくさんあります。
 また、世界文化遺産には入りませんでしたが、私の卒業論文の研究対象である「川原平(Ⅰ)遺跡」は「白神山地」がある西目屋村に存在していました。
 こういった意味からも、是非青森県にお越しの際には、両方の世界遺産を訪問することをお勧め致します。縄文人の暮らしがより理解できると思います。

 

リンク:青森県西目屋村Webサイト

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