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法政大学通信教育部

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法政大学「FD学生の声コンクール」 通信教育部在学生受賞作品をご紹介します (5)2014年度佳作 文学部日本文学科 姉帯 弘奈さん

法政大学では、教育の質を向上するための組織的な取り組みであるFD(Faculty Development)活動を全学で実施しています。この活動に学生の声を活かすため、「FD学生の声コンクール」として授業・学習に関する内容をテーマに学生からのエッセイを募集し、毎回数十を超える応募の中から優秀作品を表彰しています。FD2014

通信教育部在学生からも授業や学習・学生生活での気づき、体験談を綴った内容の応募があり、2013年度は2点、2014年度は4点の作品が佳作以上に選出されました。

これから通信教育部での学習を検討中の方、在学中の方ともに、学習のヒントになる内容が沢山込められたエッセイの数々を、シリーズでご紹介していきます。

第五弾は、2014年度佳作を受賞した文学部日本文学科 姉帯 弘奈さんの作品です。

※2014年度受賞作品は、3月上旬にFDセンターより冊子が刊行されます。【FD推進センターWebサイト

 


 

散文『通信制大学のすすめ』

          文学部日本文学科  姉帯 弘奈

 

 

「通信教育部…?」2月の終わり、出先から帰る電車の中での出来事だった。たまたま開いたホームページの下部に「法政大学通信教育部」と書かれた広告を見つけた。通信制の学校があるということはなんとなくは知っていたけれど、「大学」という漠然なイメージとはかけ離れたものだと思っていた。しかし、法政大学通信教育部は限りなく大学、のイメージに近いものだと思った。通学課程の授業も、スクーリングとやらで受けられるそうだ。つまり、通信とはいっても通うことが自分次第ではできるのだ。憧れていた司書の資格が取れる。「大学に、通えるかもしれない…」読み進めていくうちに期待が膨らんだ。私は高校卒業後、ロンドンに留学するために費用を貯めつつ、密かに大学にも興味を持ち始めていた。現役の頃、私は「ロンドンに行く」と言って大学受験はしなかった。実は少し虚勢を張っていた。というのも17歳の頃「大学ってお金がかかるんだなあ」と気づいた。奨学金を借りるいうのがポピュラーな通い方だとは思ったが文系の私大に行くには約500万円を借りねばならない。返済シミュレーターをしてみて驚愕した。私の返済が終わるのは47歳。それは私の母の年齢に近い。その頃には私に大学生の子供がいてもおかしくないのだ。子供の学費を貯めるどころか自分にはまだ払い残している学費がある。私は学ぶことは自分でもできる、と自らを納得させて大学進学には目を向けないことにした。卒業してからバイトとはいえそれなりに稼げるようになるとやっぱり大学受験をしてみよう、と思った。志望校も絞り、出願も終わりあとは勉強するだけのはずだったが、些細なことで家族に亀裂が生まれ両親が離婚する、と言い出す事態になった。ここでやはり気になったのは大学の学費のこと。進学することで家計をより苦しめてしまうのでは、やっぱり大学は諦めよう、と思った。法政大学の通信教育部に出会ったのはちょうどそんな頃だった。他大学のことも調べたが、充実したスクーリング制度や単位修得試験の実施回数、とれる資格やサークル活動に参加できる点などから法政大学に決めた。次の日さっそく願書をもらいに行った。通信教育部の方に直接会い、色んな質問をした。卒業は難しいのか、就活はできるか、など。「4年で卒業していく学生さんはごく少数ですがいらっしゃいます。自分次第ですね。就活も、通学生と同様にキャリアセンターを利用することができます。」と答えていただいた。この時私は燃えた。絶対4年で卒業する、と。少数しかいなくとも、自分の頑張り次第でその少数には食い込めるのだ。昔から、難しいと言われることほど燃えた。先例がないなら、私が先例になればいいのだと。もう迷いはなかった。2013年4月、春期スクーリングから私の大学生活がスタートした。春期スクーリングを終えて間もなく始まった夏のスクーリングで様々な出会いがあった。英語の授業に75歳のおばあちゃん、おじいちゃんがいた。わからないことはすぐに聞き、講義が終わっても先生の所へ真っ先に行く。

積極的に発言や質問が出来ない私はその姿に憧れた。私も積極的に動かなければ、と思った。その決意は新しい出会いの一歩に繋がった。ほかの講義を受けていたとき、同年代の女の子を見かけた。とても悩んだけれど話しかけてみることにした。その場で意気投合した私たちはすぐに仲良くなりスクーリングを終えてもSNSでやり取りをした。友達の友達、とも繋がるようになり、今ではたくさん仲間ができた。単修のあとお昼ご飯を食べながら仕事の話や勉強の悩みをしたり駅まで一緒に帰ったり。なんでもないような友達とのやりとりをとても大切に感じる。人間関係の面でも私は成長を感じていた。その年の秋、念願だった留学もした。真新しいことばかり体験して帰ってきて、より一層勉学に励みたくなった。ステイ先の家族に日本のことを聞かれても、私はうまく答えられなかった。だから、日本のことをもっと知らなければと思った。知っているようで知らないことが周りには溢れているのだ。レポート学習をしていて分からないところをすぐに教えてくれる人はいないし、寝ていて取れる単位は1単位もない。意志が強くなければ決して卒業できることはない。しかし通信制大学に入ってみて初めて学問の本質、意欲の上に成り立つ学びを、それを貪欲に追い求める人の知性の素晴らしさを目の当たりにした。進路に迷い泣き疲れた日々は今では笑い話にできる。(結局今では家族はとても仲良しだ)悩み、選び、決断するといった流れの中で超えられない壁はないのだと自分を誇れるようになった。時間割は存在しない。一日の流れも自分で全て作ることが出来るから自分と向き合い、見つめ直す時間もとれるようになった。自分の精神面での成長や、身についた自律性から大学選びの一つの選択肢として私は通信教育をおすすめしたい、と思います。

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